検査科
検査科では、14名の臨床検査技師が、患者様から採取した血液や尿などを検査する検体検査、また患者様自身を直接検査する生理検査を行っております。24時間体制で迅速・正確なデータを臨床に提供することを心がけています。11月11日は「臨床検査の日」となっています。
検体検査
生化学検査
血液や尿中に含まれる成分を自動分析装置で測定し、肝臓・腎臓・心臓・膵臓などの状態を調べる検査です。
血液検査
血液中の赤血球・白血球・血小板・ヘモグロビン量などの測定、血液を固まらせる働きを持つ凝固因子の活性などを調べます。
一般検査
尿中・便中・髄液・関節液などの成分や、どんな細胞があるかを調べる検査です。
免疫学的検査
肝炎ウイルスやインフルエンザウイルス、新型コロナウイルスなどを調べます。
輸血検査
安全な輸血を行うために、血液型や不規則抗体スクリーニング、交差適合試験を行います。
生理検査
安静時心電図(検査時間約5分)
心臓の電気的な活動を波形として記録する検査です。この波形から心臓に異常がないかを調べます。胸痛、動悸、脈の乱れ、失神、呼吸困難、めまい、胸部圧迫感などの症状がある場合の診断や判定、経過観察のために検査します。また、健診や手術前検査として行われます。
ホルター心電図(検査時間24時間)
24時間の心電図の変化を調べる検査です。小型装置を身に着け、24時間記録を行い不整脈や動悸、胸痛、失神、呼吸困難、めまいなどの自覚症状との関連を調べます。
ホルター血圧検査(ABPM)(検査時間24時間)
24時間の血圧の日内変動を調べます。脳卒中や心臓病の危険を減らす為のより良い血圧管理に有用です。上腕に血圧カフをつけ、日中は30分間隔、夜間は1時間間隔で血圧測定・記録を行います。白衣高血圧、夜間睡眠時の血圧、睡眠から早朝に至る血圧上昇、日中や労作時の血圧などを記録でき、治療をする上での情報を得ることができます。
血圧脈波検査(ABI/CAVI)(検査時間約10分)
両足首と両上腕の血圧、心電図、心音図を測定し動脈の硬さや、動脈のつまりなどを調べ動脈硬化の程度を調べます。動脈硬化を予防するには、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病が危険因子となるため、これらの疾患を予防・治療することが重要です。
呼吸機能検査(検査時間約10分)
肺にどれくらい空気を取り込むことができるか(肺活量)、また一気にどれくらい空気を吐き出せるのか(努力性肺活量)を測定し、喘息や肺気腫の有無、手術前の呼吸機能を評価します。
睡眠時無呼吸検査(専門外来:毎週金曜日午前中・基本予約外来)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなることで十分な睡眠を取ることができず、日常生活に障害を引き起こす疾患です。夜間に繰り返される無呼吸で、いびきや血液中の酸素低下や、睡眠が妨げられ身体に悪影響をおよぼすとともに、日中の眠気を増加させます。
簡易検査(ご自宅での検査)
小型の検査機器を持ち帰って頂き、寝る前にご自身でセンサを装着し、血液中の酸素や呼吸の状態を測定します。装着は簡単な操作です。精密検査(1泊入院での検査)
夕方に入院して頂き、翌朝退院の1泊入院での検査になります。多くのセンサを頭や体に取り付け、睡眠の状態や血液中の酸素、呼吸の状態などを調べます。いずれの検査も睡眠時無呼吸症候群の判定・治療の有用な検査です。
超音波検査
心臓・腹部・頸動脈・甲状腺・乳腺・下肢血管(動脈・静脈)など各部位にゼリーを塗り超音波を用い検査します。
部位 | 検査時間 | 検査内容 |
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心臓 | 約30分 | 心臓の動きや大きさ、弁の性状、逆流の有無などを調べます。 |
腹部 | 約20分 | 肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓、膀胱、前立腺、子宮などを調べます。食事の影響を受ける検査のため、食事の制限をさせて頂いています。 |
頸動脈 | 約20分 | 血管の狭窄や、血液の流れを観察し、動脈硬化の有無を調べます。 |
甲状腺 | 約20分 | 主に大きさや、腫瘍の有無を調べます。 |
乳腺 | 約30分 | 乳腺内のしこりの有無を調べます。(女性技師が担当します) |
下肢血管 | 約30分 | 血管内の血栓の有無や狭窄、血液の流れなどを調べます。 |
シャント | 約30分 | シャント血管の走行、狭窄やつまりなどを調べます。 |