造影剤とは
造影剤は、検査を行う部位(臓器)をより詳しく調べる目的で使用する薬です。静脈に注射するものや、飲んでいただくもの等いくつかの種類があります。
造影剤を使用する場合には、検査を受ける数時間前から食事を止めていただく場合があります。
造影剤を静脈から注射したときに体が熱いと感じることがありますが、一時的なものですので心配はいりません。
造影剤は尿によって大半が排泄されるため、検査の後には水分を多めに取ることが大切です。
これまでに造影剤による副作用の症状が出たことのある人、喘息やアレルギー疾患がある人、糖尿病の薬を飲んでいる人、腎機能が悪い人、授乳中の人は、造影剤の使用に注意が必要な場合があります。検査前に必ずお伝えください。
次に該当する方は、必ず事前にお知らせください。
- 過去に造影剤を使用した検査を受けた事があり、その際に気分が悪くなった。
- アレルギー(気管支喘息、花粉症、食物、薬などによる蕁麻疹、アトピー体質)がある。
- 心臓病、肝臓病、腎臓病、甲状腺などの病気がある。
- 妊娠している。または妊娠の可能性がある。
- 糖尿病薬を服用している方。
造影剤の副作用について
検査で使用する「ヨード造影剤」は、改良が加えられ、以前の「イオン性」のものから「非イオン性」に変わり、副作用の発現率は低くなっています(全国的な調査で3%)。
副作用には、吐き気・嘔吐・かゆみ・蕁麻疹・熱感などがあります。極めて稀ですが、呼吸困難などの重い副作用が起こることがあります。この様な場合には担当の医師・看護師が対処しますので、安心して検査を受けてください。
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血管内に投与された造影剤は放射線を多く吸収するため画像上では白く映ります。矢印で示した部分は、腹部大動脈という大きな血管です。
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造影剤の役割
1:腫瘍を見つけ出す
がんを始めとしたいわゆる『腫瘍』は、一般に自らを栄養するために多くの血液を必要とする傾向があります。(全てではありません)よって、造影剤を使用することにより腫瘍(=血液が多く集まる部分)をより鮮明に映し出すことが出来ます。
例1)脳腫瘍
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例2)肝細胞がん
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2:血管内の観察
緊急性が高い疾患の一つに、『急性大動脈解離』という疾患があります。これは、動脈硬化や高血圧などにより血管の壁が剥がれ、裂けてしまった状態で、破裂のリスクが高く非常に危険な疾患です。
しかし、多くの場合CTの画像上では血管の壁と血液は同様に見えるため、この疾患を発見することが難しい場合があります。
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造影剤を使用することで剥がれてしまった血管の壁が鮮明に映し出されています。
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造影剤を使用していない場合剥がれた血管の壁を映し出すことが難しい場合があります。
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造影剤を使用することでこのような3D画像を作成することが出来ます。血管が裂けている様子が一目で分かります。